昔は平気だったのに。予定が入ると「憂鬱スイッチ」が入ってしまう更年期の謎

更年期・体の変化

40代、50代を迎えてから、こんな変化に戸惑ったことはありませんか?

  • 「カレンダーに予定があるだけで、何日も前から心が落ち着かない」
  • 「友達と約束したときは楽しみだったのに、当日になると急に億劫でドタキャンしたくなる」
  • 「町内会の行事や近所付き合いが、以前より異常に恐ろしく感じる」

若い頃は、仕事に家事、プライベートの予定までフットワーク軽くこなせていたのに、最近は「2週間後の予定」に今から怯えてしまう……

「私の気合いが足りないのかな?」「ワガママになってしまったのかな?」と自分を責めてしまう方も少なくありません。実は、私もまったく同じです。町内会の行事がある前の週なんて、カレンダーを見るだけで「あそこから逃げ出したい……」とため息をついていました。

でもこれ、あなたの性格や気合いのせいではないんです。

今回は、更年期世代に起こる「予定が恐怖になる理由」と、楽しい予定・嫌な予定をそれぞれ上手に乗り切るための「がんばらないコツ」を、私の体験を交えてご紹介します。

1. 性格のせいじゃない!更年期に「予定が恐怖」になる理由

なぜ、昔のように「普通に予定をこなすこと」が難しくなってしまうのでしょうか。そこには、更年期特有の体と脳の変化が関係しています。

①「予期不安」とエストロゲンの減少

更年期になると、女性ホルモンである「エストロゲン」が大きく減少します。エストロゲンは脳の感情を司る部分(自律神経など)を安定させる役割も持っているため、これが減ると脳が不安に対して非常に過敏になってしまいます。

その結果、まだ起きていない未来のことに対して「失敗したらどうしよう」「体調が悪くなったらどうしよう」と過剰に不安を抱く「予期不安」が起きやすくなるのです。2週間も前から予定に縛られて憂鬱になるのは、脳がサインを出している証拠です。

②「マルチタスク」のキャパオーバー

50代の毎日は、仕事、家事、親のケア、町内会の役員など、とにかくやることがいっぱいです。ただでさえ更年期の不調で脳のエネルギーが不足しているところへ、あれこれとタスクが重なると、脳のキャパシティ(受け入れ容量)があっという間にオーバーしてしまいます。

③「社交エネルギー」の枯渇

若い頃のように「誰に対しても愛想よく人付き合いするパワー」が出ないのは、あなたが怠けているからではありません。体と心が、これ以上の消耗を防ぐために「省エネモード」に入っているから。今はエネルギーを自分の心身を守るために使う時期なのです。

2. 【楽しい予定】当日の「めんどくさい…」を防ぐ3つの対策

楽しみにしていたはずなのに、当日になると準備や移動が急に億劫になり、クローゼットの前で「やっぱり行くのやめようかな……」とドタキャンしたくなる衝動。これも更年期あるあるです。

当日のハードルを極限まで下げるために、私は次の3つを実践しています。

① 前日までに「準備」を100%終わらせておく

当日になって「着ていく服がない!」「バッグの中身を入れ替えなきゃ」とバタバタすると、それだけで脳のエネルギーを使い果たし、おっくう感が倍増します。着ていく服(靴や下着まで)や持ち物は、数日前からセットして部屋に置いておきましょう。当日は「ただ着て出るだけ」の状態を作っておくのがコツです。

また、スマホのメモ機能などに「お出かけ時の持ち物チェックリスト」をひとつ作っておくのもおすすめ。出かける直前に「あれ持ったっけ?」と不安になっても、そのリストを上から順にポチポチとチェックするだけで確認が終わり、脳の『あれこれ心配するエネルギー』を大幅に節約できますよ。

② 「これだけあれば何とかなる」必須アイテムを確認

「もしもの不調」に備えて、お守りアイテムを確認しておきます。

  • スマホ、財布、家の鍵
  • お薬(漢方やサプリ)、コンタクトレンズ、眼鏡、双眼鏡
  • 交通機関の切符、現場のチケット

「最悪、これさえあれば出先で何があってもどうとでもなる!」と思える重要アイテムをカバンに入れておくだけで、出発前の心のざわつきがスーッと引いていきます。

③ 帰宅後の「回復時間」をあらかじめ予定に組み込む

お出かけの予定を立てるときは、帰宅後のタイムスケジュールもセットで考えます。
「16時に帰宅したら、夕飯は買ってきたお惣菜で済ませて、パジャマに着替えてベッドでゴロゴロする」。ここまでを「本日の予定」として確保しておくことで、安心してお出かけを楽しめるようになります。

さらに、もし調整が可能であれば、予定がある日の「翌日」はできるだけ仕事を休みにしたり、家事を手抜きできる日にしたりと、あらかじめ『丸一日休める日』をセットで確保しておくのが理想的です。「明日になれば思いっきり泥のように眠れる」という安心感がバックにあるだけで、当日の疲れやすさや緊張感が不思議と和らぐものです。

3. 【嫌な予定】事前の「考えすぎ」を減らしてマシーンになるコツ

町内会の集まりや、気が重いお付き合いなど、避けては通れない「嫌な予定」もありますよね。何日も前からそのことで頭がいっぱいになり、エネルギーを消耗してしまう状態(ウェイティングモード)を防ぐには、感情をオフにすることが大切です。

① とりあえず「徹底的に現実逃避」する

カレンダーの文字を見るたびに憂鬱になるなら、できるだけ直前になるまでその予定について考えるのをやめましょう。「考えても、考えなくても、当日の内容は同じ。なら、今考えるのは損!」と割り切り、脳のスイッチを強制終了します。

② 事前シミュレーションと「カンペ」の用意

人間は「正体のわからないもの」に一番強い恐怖を感じます。当日の流れが分からなくて不安なときは、AIなどに「町内会の総会の流れってどんな感じ?」と聞いて、だいたいの内容を予測しておくのがおすすめです。

もし、自分に挨拶や発言の機会が回ってくる可能性がある場合は、あらかじめスマホや紙に文例を作ってメモ(カンペ)しておきましょう。
当日は、そのメモを開いて「緊張して忘れてしまうので、これを見ちゃいますね」と、そのまま読み上げてしまって100%OKです。周りも温かく受け止めてくれますし、「言葉に詰まったらどうしよう」という恐怖から解放されます。

③ 「時間が過ぎれば勝ち」感情をオフにしてマシーンになる

嫌なタスクがスタートしてしまったら、あとは時計の針が進むのを待つだけです。
100%確実に、終わり時間はやってきます。自分の感情を完全にオフにして「私は今、淡々と作業をこなすマシーンである」になりきりましょう。時計をチラチラ見ながら、時間が過ぎていくのをただ見届ければ、あなたの勝ちです。

④ ご褒美をセットで予約しておく(効果がある方向け)

嫌な予定のすぐ後ろに、大好物のスイーツを買う、お気に入りのカフェに寄る、観たかった映画を観るなどの「ご褒美」を確定させておきます。「これが待っているから、あと2時間耐えよう」と思える方には、非常に強力なお守りになります。
(※ちなみに私は、こういった報酬系への反応がちょっぴり鈍いタイプなのであまり効果が出ないのですが、人によっては大化けする特効薬になります!)

4. 予定が気になって手につかない時の「ちいさな対処法」

「頭ではわかっているけれど、どうしてもウェイティングモード(予定を気にしすぎて何もできない状態)から抜け出せない」というときは、物理的な仕掛けで脳をハックしましょう。

  • アラームをセットして、頭から完全に追い出す
    「〇時になったらスマホが教えてくれるから、それまでは1ミリも考えなくていい」と脳に言い聞かせます。アラームが鳴るまでは、今目の前にある家事や、好きな動画に集中して意識をそらしましょう。
  • 前日の夜に「明日やること」を書き出す
    翌日の予定が気になって、布団の中で考え事が止まらなくて眠れなくなることはありませんか?そういう時は、枕元でスマホのメモ機能やノートに、気になることをすべて書き出して「頭の外」に放り出してしまいます。脳のメモリが軽くなり、意外とすんなり眠れるようになります。

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まとめ|「終わった後のご褒美」をセットにして、一緒に乗り切りましょう

昔のようにできない自分に出会うとショックですが、「楽しい予定すら億劫になる」「先々の予定に心が支配される」というのは、更年期のメンタル不調としてはとても典型的な症状です。

もし、「最近は楽しい予定であっても、本当にまったくやる気が起きない」「常に気分が重くて涙が出る」といった状態が何週間も続いている場合は、心と体が限界を迎えているSOSのサインかもしれません。その場合は無理をせず、専門医を頼ることも考えてくださいね。

そうでなければ、「がんばって耐える」のをやめて、「少しラクになる工夫」をたくさん散りばめていきましょう。

完璧に、愛想よく、こなさなくて大丈夫。感情をオフにして、カンペを握りしめて、時間が過ぎるのを淡々と待つ。

そして予定が無事に終わったら、「よく乗り切った!」とお気に入りのスイーツを食べたり、ゆっくりお風呂に入ったり、自分へのご褒美をたっぷり用意してあげてくださいね。

そんなふうに、自分に優しく、このゆらぎの季節のスケジュール帳を乗り切っていきましょうね。

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