「大好きな推しを、以前と同じ熱量で追いかけられない……」
40代、50代を迎えて、ふとそんな寂しさや戸惑いを感じることはありませんか?
かつては夜行バスで全国を遠征し、そのまま翌朝に何食わぬ顔で出社したり、新幹線や飛行機を乗り回して現場最優先の生活を送ったり。そんなパワフルな日々を過ごしてきた方も多いのではないでしょうか。
しかし、更年期世代に入ると、心と体に少しずつ変化が訪れます。推しへの気持ちは変わっていないのに、いざ現場に行くとなると、純粋なワクワク感よりも先に「準備がしんどいな…」」「体力が保つかな……」という不安が押し寄せてしまうのです。
「昔のように全力で推せない自分」に寂しさを感じるのは、あなたがそれだけ熱い情熱を持って推しと向き合ってきた証拠。でも、心と体をすり減らしてまで続ける推し活は、ヘルスケアの視点からも少し心配です。
今回は、現場重視のオタクだった私の実体験を交えながら、更年期世代が無理なく、笑顔で推し活を続けていくための「心地よい距離感」についてお話しします。
更年期にこそ「推し活」が必要な5つの理由(メリット)
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少にともない、自律神経が乱れやすく、心も体も揺らぎやすい繊細な時期です。理由もなく落ち込んだり、疲れが取れなかったりする日も少なくありません。
そんな時期だからこそ、実は「推し活」が大きな心の支えになります。
- 気力の回復: 日常の家事や仕事、更年期のどんよりした気分を、推しの存在が一瞬で吹き飛ばしてくれます。
- 多幸感に包まれる: 推しを見ることで脳内に幸福ホルモンが分泌され、心が満たされていきます。
- 若返り(女性ホルモン感覚): ときめく気持ちは、まるで減少していく女性ホルモンを補ってくれるかのような、みずみずしい若返り感をもたらします。
- 毎日の生きがい: 「次の供給まで頑張ろう」という前向きな目標が、日々の生活にハリを与えてくれます。
- 究極の癒し: 誰のためでもない、自分の「好き」に100%没頭できる時間は、最高のメンタルケアになります。
知っておきたい、大人の推し活に潜む4つの落とし穴(デメリット)
一方で、オタク界隈でよく耳にする「推しは推せる時に推せ」という言葉をそのまま実践しようとすると、更年期世代にはいくつかのリスク(落とし穴)が潜んでいます。
- 時間の使いすぎ: 睡眠時間を削ってまで情報収集や動画視聴に没頭すると、自律神経の乱れに直結します。
- 金銭の負担: 「今買わなきゃ後悔する」という焦りから過度な課金を重ねると、将来への貯蓄や生活費を脅かします。
- 体力の消耗(遠征疲れ): 無理なスケジュールで現場に参戦すると驚くほど回復に時間がかかり、疲れを数日間引きずるなど日常生活に支障が出ます。
- 精神的な消耗(SNS疲れ): SNSに溢れる情報や、他のファンの高い熱量を目にすると、「自分にはもう、そこまでの熱量はないな……」と冷静になって落ち込んでしまうことがあります。
純粋な「好き」だったはずの気持ちが、いつの間にか「行かなければ、追わなければならない」という義務感に変質してしまう。これこそが、大人の推し活で最も気をつけたい落とし穴です。お金や時間を無理に削ってまで追いかける推し活は、心身の健康を損なうリスクにもなりかねません。
現場遠征型から「茶の間型」へ!無理しない推し方へのシフト
実は私も、かつては軽い「ガチ恋」「同担拒否」傾向のある、ゴリゴリの現場重視型オタクでした。他のファンの声から一歩距離を置き、推しと向き合う時間が何よりの幸せだったのです。
そんな私が、体力の変化をきっかけに、少しずつ無理な遠征を控えるようになりました。
最初のうちは寂しさもありました。現場に行かなくなれば、やはり熱量はある程度下がってしまいます。最初は後ろ髪を引かれる思いでいっぱいでした。
けれど、一歩引いてみると、ある変化が訪れたのです。
「行きたいけれど、無理してまで行かなくても、まあ別にいいか……」
そう割り切ることが、だんだんと苦ではなくなっていきました。少しの寂しさはありましたが、それ以上に「体がラクになった」という確かな解放感がありました。
最近の私は、自宅のお気に入りの快適な環境で楽しむ「茶の間ファン」へとシフトしました。
配信やアーカイブであれば、更年期の体調が優れない日でも、横になりながら自分のペースで推しを愛でることができます。
また、SNSは「公式の発信」しか見ないように徹底しています。ファンの声をシャットアウトすることで、余計なモヤモヤや不確かな情報に惑わされることもありません。
「全部追わなくても大丈夫」
そうやってゆるく推すコツを覚えたことで、更年期の波に抗うことなく、穏やかで幸せな推し活スタイルを手に入れることができました。
視野を広げて!別視点で見つける「新しい推し」のすすめ
推し活との距離感を見直していくと、これまで「芸能人やキャラクター」にだけ向いていた視線が、自分の身の回りへと広がっていきます。心と体をいたわるために、こんな「新しい推し」を見つけてみるのはいかがでしょうか?
「ペット推し」
私を日々無条件で癒してくれる愛犬や愛猫は、今や私の最推しです。「この子をペットホテルに預けてまで無理な遠征に行くなんて、もってのほか!」と、現場を諦めて自宅で配信を楽しむためのかわいい言い訳(笑)にもなってくれます。
「自分推し」
視点を変えて、これまで推しに使っていたリソース(時間・お金)を「自分」に課金してみるという考え方です。
- 体を温めるマッサージや極上のスパ
- 肌に優しいコットン素材のインナーや、お気に入りのスキンケア
- 更年期の体をサポートする健康的な食事やサプリメント
自分を磨き、自分をご褒美で満たし、自分を徹底的にいたわる。「自分」に課金することは、更年期を乗り越え、これから先の未来を元気に生きるための、自分自身への大切な投資になります。
まとめ:「推せる時に推せ」の呪縛を解いて
よくオタク界隈では「推しは推せる時に推せ」と言われます。
この言葉は本当にその通りだと思います。推しの活動も、自分自身の体力や熱量も、いつまで続くかは分かりません。「いつか行こう」の後悔をなくすために全力で「今」を大切にする選択も、間違いなく美しく、素敵な生き方です。
かく言う私も、気持ちの根っこはまだまだ現場至上主義。「体調を万全に整えて、いつかまた現場復帰してやるぞ!」と、虎視眈々とチャンスを狙っている自分もいます(笑)
けれど、今はまず少し距離を置いて、自分の心と体の健康が最優先。
「推せる時に推せ」その言葉が焦りや義務感になり、あなたの生活や健康を脅かしてしまっては本末転倒です。
更年期という人生の転換期だからこそ、一度その呪縛をそっと解いてあげませんか?
現場で輝く推しも、お茶の間でゆるく見守る推しも、ペットや自分自身を慈しむ時間も、すべてあなたの「生きがい」です。
年齢とともに、推し方が変わっていくのは当たり前のこと。
今のあなたの心と体が一番「心地よい」と感じる、あなただけの優しい距離感で、これからも大好きな世界を楽しんでいきましょうね。

